あながち

感想ブログとなるのか、どうか?

クリスウェッジ『ロボッツ』感想

アイスエイジシリーズの監督クリスウェッジによる、人間の存在しない世界のロボットが悪の資本主義を妥当して良心を世界に取り戻すという話。全体としてどことなくマイナー感が漂うことは否めません。題材がロボットなのに主人公がブリキで古くさくて、この…

酒井直樹『日本/映像/米国―共感の共同体と帝国的国民主主義』感想

日米の戦後映像史をひもとくことで、両国の戦後発展の裏側にあった共感装置の働きと、その欺瞞が見えてきます。喪失の体験としての戦争、その喪の作業としての映画体験があります。そしてその作業はおうおうにして国家の原風景にて最後を迎えてしまう。観客…

クエンティンタランティーノ『ジャンゴ 繋がれざる者』

飲み干していいのか不安になるほどの強烈なカタルシス。黒人奴隷であったジャンゴを訳あって賞金稼ぎが買い取り、パートナーとして共に働く=殺すことになる。そして賞金首は主に南部の社会にまぎれた白人の犯罪者。ジャンゴは鞭打たれる立場から一転して「…

テレンスヤング『暗くなるまで待って』の感想

「タイトルがネタバレ」シリーズですが、ネタ頼りではなく地道な展開が飽きさせないのでバレてても問題ないシリーズでもあります。夫婦の愛情が前提にされていて、そのせいでドラマが真面目ったらしくなってしまう感じがあるのですが、そこを引っ掻き回す少…

舞城王太郎『安達くんと桜井さん』感想

REALCOFFEEによる映画『ぼくたちは上手にゆっくりできない』の来場特典冊子に収録詳しくは公式HPへTOP|ぼくたちは上手にゆっくりできない。www.realcoffee.jp 同冊子収録の短編が舞城王太郎の匿名性をネタにしたものだったので、舞城はそれに対抗してネタ合…

ジョスウィードン『アベンジャーズ』の感想

地球を超えて宇宙にさえ(人類の可能性ではなく、シンプルに憎悪の対象としての)敵を見出してしまう物語というのはそれだけで脱力感がありますね。ドラゴンボールじゃないんだから。いや、面白いんですけど。キャプテンアメリカをどう扱うか、というのが非…

ギレルモデルトロ『パシフィック・リム』の感想

刺激的な映像ってのはここまで来てしまったのかと思わされます。絶望的な状況、起死回生の一発、そしてそれらにリアリティを担保するためのあまりにも巨大なスケール。ここまで過激な形式にたくさんの人間が慣れ親しんでいるということ自体に驚きます。随所…

舞城王太郎『淵の王』の 感想

舞城王太郎はこのごろ男性主人公の作品と女性主人公の作品を強く区別して描いている。男性の場合はシンジくん的なだらしなさと不可分なものとして、女性の場合は「正道」というのかオーソドックスな個人の幸せを勝ち取るべき存在として。その方法の背景には…

西研『ニーチェ ツァラトゥストラ』の感想

ニーチェの主著のひとつである『ツァラトゥストラ』がいくつかの章に分割して説明されていく本です。たぶんに自己啓発的に使用され、あるときはナチスにも利用されたニーチェですが、西研がどう扱っていくのか、興味深く読みました。西研は文中でなんどか「…

『ユリ熊嵐』最終話を見ました、見ましたよ

みるんの天国での語りが悲しすぎました。 熊サイドの登場人物はほとんど死んでしまい、ゲス熊だけは生き残るわけですが、この話が「いかに見つけてもらえるか、から、いかに見つけるか、へ」についてのものだったとしても、その過程に転生が必要で要するにみ…

堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』3巻を読んだ

“敵連合”の襲撃が退けられ、体育祭が開催されます。体育祭には学校外の人々が注目していて、そこでの好成績は単なる学内カーストへの影響だけでなく社会全体へのアピールにもなる、という構図が説明されて、お茶子ちゃんがヒーローを志望した理由などが明ら…

仲村清司、宮台真司『これが沖縄の生きる道』読みました

この本とは別に戦後映像史の本を読んでいるのですが、その本からわたしは「植民地主義が自らを反省する時に利用する未開文化の像こそが、植民地主義の根性をもっとも明確に映している」というふうなロジックを受け取りました。 つまり、「純粋で朗らかに生き…

kiichi『夜明けの口笛吹き』をやりました

夜明けの口笛吹きRPGしたくて、やりました。 面白かったです。プレイ時間は10時間未満。翌日予定のない土曜の夜に是非。 ストーリー いっちばん個からはなれた無意識の深層ギリギリのところから、ぐんぐんと上昇していくRPG。意識がハッキリしていくにつれて…

『ユリ熊嵐』11話「私たちの望むことは」みました

銀子が女の子になった経緯の細かい回想から、欲望の力を借りてクマタギ隊をしばきまくる銀子。クマに狩られるなんて、マタギ失格です。 紅羽に会いにいく階段の途中、欲望の化身蜜子に食人をそそのかされ、はね除ける銀子。欲望を失ってはケモノではいられな…

『アルドノア・ゼロ』最終回見ました

電波ジャックによって和平を呼びかける本物のアセイラム姫。クランカインを婿と向かえ女王となることを宣言し、スレインが進めていた流れを完全に断ち切ります。 計画の失敗を受け入れ投降を指示するスレインですが、一部の部下たちは捨て身の進軍を進めます…

ネビルシュートの『渚にて』を読みました

核戦争後の世界が舞台。放射能に汚染された北半球と、汚染された塵が徐々に南半球もダメにしていく状況の中、さまざまな人がやりとりをしていきます。黄昏のなかで進展といったものはなくあとは日が落ちるのみ、ということがしつこく何度も描かれていき、中…

レオスカラックスの『ポンヌフの恋人』観ました

[Blu-ray]" title="ポンヌフの恋人 [Blu-ray]" class="asin"> 老朽化のため閉鎖中の橋に住むホームレスの青年のもとに眼を患った絵描きの女性が転がりこみ、恋に落ちます。 たくさんポスターが貼られて、そのポスターにはおっきく顔が刷られていて、それがブ…

ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』を読みました

天涯孤独の少女が魔法使いに買われます。 買われるといっても形式が人身売買だったというだけで、むしろ魔法使いは少女を救うために買いました。少女は生きる気力を失っていましたが、魔法使いの優しさによって心を開いていきます。 一方で魔法使いは人間で…

Yume Nikki 3dの三つの動画

フリーゲーム「ゆめにっき」を海外のファンが3D化 怖すぎ泣いたnlab.itmedia.co.jp「海外のファン」というのはあまりにも大雑把ではないかというのは置いといて、有志によるゆめにっきの3d verが2013年に発表されている、という記事です。「3d」って表記は日…

ユリ熊嵐10話「ともだちの扉」みたの感想

みました。 どんどん殺伐としていきますね。 展開箇条書き ・絵本の結末は、クマと女の子が鏡を打ち破って出会いキスをして新しい世界を二人で歩いていくというものでした。あまりにも予想通りで逆に戸惑いますね。・るるにペンダントを返してもらって、銀子…

多和田葉子『かかとを失くして』読んで感想

『文字移植』が面白かったです。淡白なタイトルがいい。 『文字移植』は知人の別荘宅で翻訳の仕事をする人の話で、仕事が終わりかけてちょっと眠ろうとしたところから急に夢の中が舞台になって、似たような男にひたすら邪魔されたり追いかけ回されたりして主…

ジャンリュックゴダール監督『さらば、愛の言葉よ』を見た感想

ゴダールを見たのはすごく久しぶりです。もはやはじめてと言ってもいいくらいです。 3D映画も久しぶりで、ワクワクと怖さが半々くらいの気持ちで行きました。 筋は、ゴダールがこれまで撮ってきた世界を背景に置きつつ、男と男と女とそれを取り巻く何人かが…

『ユリ熊嵐』9話 (あの娘たちの未来)をみた

紅羽が銀子を撃つきっかけとなったるるの告白の内容は、「銀子は純花を見殺しにした」というもの。 紅羽に撃たれて落ちていく銀子は百合園と出会い「スキの欲望」を説かれる。 いわく、「スキとは相手を自分に取り込むこと」。 一方でユリーカは零愛を食べた…

吉田覚『働かない二人』読んだ感想

無職の兄妹の話。WEBマンガサイトの『くらげバンチ』にて連載中。新しい話は無料で読めて、単行本が出ると読めなくなるスタイル。 『無職あるある』漫画とみせかけて、頼れるお兄ちゃんとドジな妹という完璧な設定の中彼らがいちゃいちゃするというと語弊が…

『DRAGONBALL EVOLUTION』ドラゴンボールのハリウッド版をみた

『DRAGONBALL EVOLUTION』(ドラゴンボール・エボリューション、Dragonball Evolution/龍珠演変)は、アメリカ合衆国の映画作品。鳥山明の漫画作品『ドラゴンボール』を実写で映画化した作品である。監督はジェームズ・ウォン。20世紀フォックスが制作・配給…

今井哲也『ぼくらのよあけ』感想_少年少女はそのままに、大人へ

読みました!サイコーですね! 舞台が団地で、団地という小さな場所から宇宙というかぎりなく大きな場所にダイレクトに繋がることが出来るというようなことを思いました。そしてそのための装置は、昔大人たちがかつて少年だったことの証でもある、というよう…

『アルドノア・ゼロ』21話の感想_ドンスタップスレイン

スレインは戦争を止めるためには火星と地球、両者の差異がなくなるところまでいかなくてはならないと言います。そういうことを言いだすともはや全てを駆逐するまで争いは終わりません。そもそも帝国が地球を支配すればまたべつの差異が帝国の中に生まれるだ…

ゆるゆりが三期です

<a href="http://natalie.mu/comic/news/140294" data-mce-href="http://natalie.mu/comic/news/140294">「ゆるゆり」TVアニメ第3期の制作決定!キービジュアルも公開</a> ゆるゆりは、好きとかではないです。 見ましょう。 ゆるゆりについて「かわいい女の子しか出てなくて、この作品には外部がない」と言っている人がいて、じゃあ苺ましまろにはファミレスのおじい…

榎本俊二『斬り介とジョニー』読んでの感想

『ゴールデンラッキー』、『えの素』、『ムーたち』などの巨大な足跡を漫画史に残す榎本俊二の実験作というのか、ひたすら人間が斬られまくる漫画。「斬りまくる漫画」ではないです。ひたすら人間が斬られまくる漫画。 人がばしばし斬られていて最初は笑えま…

道、マジ、危険

トピック「ハーネス」について <a href="http://nanaio.hatenablog.com/entry/2015/03/03/094632" data-mce-href="http://nanaio.hatenablog.com/entry/2015/03/03/094632">多動児にとってハーネスは命綱です。世間の皆様のご理解をお願いします。 - うちの子流~発達障害と生きる</a> 前提 私は東京以外の場所で子供と歩いたことがないので東京の話をしています。 子供と歩いてて思うのは「道、マジ、危…

大今良時『聲の形』読んだ_「自分が思ってると思ってること」の外へ

読み終わりました。面白かったです。 「「自分」」の外へ みんなが橋の上で思ってることを全部言うところが好きです。思ってることを全部言って、ぶつけて、だからたとえ結果がどうなろうとそれでいいはずなんだけど、でもなぜかそうならない。「自分が思っ…

大今良時『聲の形』4巻まで読んで思ったこと_ふたつの歪みの、しんどさ

対等って言葉が使われなくなるのが対等な状態だとしても、そこに向かっていくためには対等って言葉を使わなければいけません。私たちが進んでいる道は直線じゃなくてうねうね曲がっていたり分かれていたり一人分の幅しか(もしかしたらそれすらも)なかった…

くらもちふさこ『花に染む』5巻まで読んでの感想_重い運命と、軽い運命

花乃ちゃんはかわいいですね!『コケッコー』以降のくらもちふさこの絵柄と、またちょっと違った感じです。 複雑すぎて感想すら書くのが大変ですが、「なにがわかんないかわかんない」っていう複雑さではなくて、個々のシーンごとは明快でしみ入るものがある…

水上悟志『惑星のさみだれ』読んだ後に書いた文章(感想ではない)

ウオオ最高だあ、なSFファンタジー青春群像恋愛能力バトル漫画です。 嫌いなキャラが全然いないです。風巻さんが好きですけど。みんな好きですけど。 失って失って失って失って失って生きて死ぬ 生きて得たものは全てなくなります。勲章みたいなそういうアレ…

松井優征『暗殺教室』13巻の感想_毒母を、殺るだけ。

週刊連載は新刊が出るの速くてすごいですね。 読む側も忙しいくらいで、作ってる側はどうなっちゃってるのでしょう。 Just do it = 殺るだけ 暗殺教室の「殺る」は「やる」とかかっていて、つまり行動を起こすことによって世界の殻をやぶり、それまでを殺し…

今井哲也『ハックス!』4巻感想、弱いけど華麗な逆説。

あー終わった。ちょうおもしろいです。 三山さん! いっちばん好きなキャラクターです。彼がいなかったら、ぜんぜん別の作品だったと思います。 三山さんは電脳研究会所属でアニ研ではないのですが出入りだけしていて、あんましちゃんと作業に参加しないとい…

今井哲也『ハックス!』3巻感想、魂は形を変え、大きさはない。

おもしろいー 今回は、既存の手書きMADをお手本に作品を作っていく過程がメインで、あとみよしについての話や、アニ研に興味がある女の子が別の流れに入っていく話など。 みよしが過去作品に突き動かされたように、周囲の人がみよしに動かされていきます。 …

今井哲也『ハックス!』2巻の感想、タイムマシンとは別のしかたで時を超えていく作品。

おもっしろい! 今回はアニ研の過去作品をテレシネに変換していってその過程でいろいろと過去のことが明らかになっていきます。 そこで何がおきたか?ここで何が起きているか? アニ研が何をしていたか、どういう場所だったのかというのがこの作品の大きな謎…

今井哲也『ハックス!』1巻の感想、のりうつるエネルギー、のりうつられない人。

新入生歓迎会の部活説明でアニメ部の上映を見て衝撃を受けてそのままアニメを作りはじめてしまう女の子と、そのまわりの人たちの話。 シンプルであることの、異常さ すごいアニメを見て受け取ったエネルギーを主人公はアニメを作ることに向けます。 とてもシ…

吉田戦車『甘えんじゃねえよ!』の感想。みっちゃんのママ、美しすぎ。

吉田戦車による四コマ集です。 恐怖、みっちゃんのママ 約四十の章に分かれていて、半分くらいまでは動物がテーマとしてあるのですが、それ以降は動物関係なくなっていきます。 その理由は、「みっちゃんのママ」というキャラクターが強くなりすぎたせいです…

久井諒子『ダンジョン飯』1巻の感想

ダンジョン最深部に妹でもあるギルドメンバーを残したまま地上に帰ってきてしまい、救出に戻りたいが路銀に欠けるためモンスターを調理することで食費を節約する、その調理の漫画。 九井諒子のグルメファンタジー「ダンジョン飯」1巻、モンスターを美味しく…

サイモンウェスト監督の『エクスペンダブルズ2』の感想

『1』はシルエヴェスタスタローンが監督だったけど、今回は『コンエアー』を監督したサイモンウェストが監督です。 消耗品(エクスペンダブルズ)と呼ばれる傭兵部隊がいて、そのリーダーがスタローン。プルトニウムを狙っている悪者がいて、そのリーダーが…

堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』2巻読んだよ感想

ジャンプの漫画久々に読んでますが、絵がほんとに丁寧ですね。ものすごい細かく描いてある。ドラゴンボールとかワンピース的なものと線も面も全然違うところで描いてるように見えます。 お茶子ちゃんがずっとかわいい。 アメコミ要素、増えるのかどうか 前巻…

堀越耕平『僕のヒーローアカデミア』1巻読んでの感想

シンジくんと比較してみる シンジくんはみんなが苦しんでて「逃げちゃ駄目だ」を連呼ののち、戦ったりする。 デクは助けを求めている人間を見ると決断すらせずに速攻でヒーロー見参。 親から激励されたかったけどされなかったシンジくん。 デクは、憧れのヒ…

『ユリ熊嵐』8話見てまでの感想

しまっちゃうおじさんだ! ユリ熊嵐のこれまでの悲劇はしまっちゃうおじさんの仕業だったんですね。ユリーカも被害者に過ぎない。ウテナにおける鳳暁生、ピングドラムにおける眞悧の位置に、このしまっちゃうおじさんがおさまる予感がビンビンです。 けっき…

幸村誠『プラネテス』ざっと読み通してのおおまかな感想

家族漫画だ 読んでまず思いました。 宇宙は広すぎて孤独をもたらすので主人公が家族とか両親とか恋人とかそういうものと無意識の深層で交わり合う契機になるって筋書きはまあ『コンタクト』とか『ゼログラビティ』とか、それこそ『インターステラー』もそう…

がに股の猫と、うろうろラッコと、嫌な気持ちの猿の、動画

なんでしょうかね。方向性みたいなものがないとかけませんね。 前回がユーリノルシュテインだったのでほかのアニメーション作家をまとめていけばいいかな、と思ったけれど、Twitterを始めたら思いのほか汚い感じの人間になってしまって、好きな作家について…

ロシアのアニメーション作家ユーリノルシュテインは髭と髪の毛が繋がっているぞ

ロシアの切り絵アニメ作家ユーリノルシュテインを紹介する

あいさつ

どせなもです。 倉敷です。 書いていきます。 よろしく。