あながち

感想ブログとなるのか、どうか?

今井哲也『ハックス!』2巻の感想、タイムマシンとは別のしかたで時を超えていく作品。

ハックス!(2)

おもっしろい!

今回はアニ研の過去作品をテレシネに変換していってその過程でいろいろと過去のことが明らかになっていきます。

 

そこで何がおきたか?ここで何が起きているか?

アニ研が何をしていたか、どういう場所だったのかというのがこの作品の大きな謎になっていて、その謎に突き動かされていくようにこの作品は回っています。

その謎は、でもモノローグで「こうだった!」という形で明らかにされるわけではなくて、当時のことを先生や先輩にきいたり、アニメを作っていく中で主人公たちがいろいろ考えたりして、おぼろげに「こうだったのではないか?」というふうに立ち上がっていきます。陽炎みたいに。

でもそれが正しいかどうかはよくわからない。

 

今井哲也『ハックス!』一巻の感想、のりうつるエネルギー、のりうつられない人。 - あながち

一巻の感想で書いたように、主人公は過去のアニ研作品を見てそこで火をつけられます。でも何が火をつけたのか?そういうことはわからなくて、それ向かってひた走っていきます。

そしてこの作品は、その「ひた走り」の作品なのだと思います。電脳コイルのヤサコが過去の出来事に翻弄されてひたすら走ることになったように、みよしもどかんとなにかを食らって、文字通り突き動かされる。その結果としての作品が、周りの人をさらに突き動かして、そのことにまたみよしが突き動かされていく。

そこで起きていたのはなにか?ということをこれこれこうだよと漫画で描いてしまうのは簡単だと思います。でもそれは説明にしかならない。そうではなくて、人々を突き動かしていくエネルギーのそのうねりをこそ、この作品は描いている。

 

みよしの作品も未来の人を突き動かしていく。その人も「この作品はなんなのか」と考えるでしょう。みよしの魂が乗り移ったかのように。その人の目線になってこの作品の時代のアニ研を眺めることで、みよしたちが探しているものがなんなのか、なんとなく手触りが伝わってくるように思います。