あながち

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今井哲也『ハックス!』3巻感想、魂は形を変え、大きさはない。

ハックス!(3) (アフタヌーンKC)

おもしろいー

今回は、既存の手書きMADをお手本に作品を作っていく過程がメインで、あとみよしについての話や、アニ研に興味がある女の子が別の流れに入っていく話など。

 

 

みよしが過去作品に突き動かされたように、周囲の人がみよしに動かされていきます。

しかし、みよしは決して自分がそういうことをしているって気持ちはなくて、むしろ周囲によって自分も動いていけているし、自分が動きすぎるせいで周りが動けなくなることについても気にする。

みよしは才能なのですが、みよしだけでなく作品全体の態度としてそういう才能を特別に祭り上げたりしません。ちょっとうがった見方かもわかりませんが、むしろその大きな才能のとなりで小さくうごめく人間らしさみたいなものをどう扱うか?というふうなことをやっているようにも見えます。

その代表が、今回のもうひとりの主役といっても過言じゃないでしょう。友理です。

 

友理はアニメ好きなんですが引っ込み思案というかうまく言い出せなくてアニ研に入れないまま・・・というキャラクターで、みよしの友人です。

大好きです。みよしがどうすればいいかわからなさみたいなものをどうにか動かしていくのに対して、友理はそれをどうにかしようと向き合って動けなくなっていて、でもそこには何かがあって、それをごまかさずにもがいている。その彼女が、今回なんだかいろいろあって生徒会に入ることとなりました。

私は読んでてアニ研に入るかな?って思ったらそういうこととなって、でもそういう流れとても身に覚えがあるし、そうだったなーと思いました。勇気を出して掴んだ糸が思った方向に伸びていなくても、進んだ先に求めていたものがなくても、それが悪くないなということがある。

本来はアニ研はいりたかった友理ですが、生徒会でわちゃわちゃしているうちに、なんか楽しくなったり思ってなかったこと言っちゃったり変わっていって「私変だ今日」と思うのですがそうロジカルに思う友理は生徒会に入る前の友理の残響で、それを後方において友理に新しくいろいろと始まっている。

 

友理を動かしたのはみよしで、友理はみよしと近づきたかったのですが、そうはならなかった。でも別のところで生きる友理にみよしが関係なくなるということはなく、別の形でみよしがゆりに与えたものが動く。うごくうごく動く。手書きMADみたいに、形を変えて、上下なく、すごい速さで。*1

 

ハックス!(3) (アフタヌーンKC)

ハックス!(3) (アフタヌーンKC)

 

 

*1:追記:四巻読んだらこの文章、ちょっと間違いありました。でも、まあ、ここで書こうとしていること自体は間違ってないので、そのまま残します。