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松井優征『暗殺教室』13巻の感想_毒母を、殺るだけ。

暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)

 

週刊連載は新刊が出るの速くてすごいですね。

読む側も忙しいくらいで、作ってる側はどうなっちゃってるのでしょう。

 

Just do it = 殺るだけ

暗殺教室の「殺る」は「やる」とかかっていて、つまり行動を起こすことによって世界の殻をやぶり、それまでを殺してこれからを生きるというテーマが作品全体を貫いています。

今回は進路選択の回がありました。生徒みんなが暗殺技術をきっかけにして生きる世界を決めていきます。死ぬ気で特訓すれば、活路も進路も見えるという話。

 

「毒母」、渚(たん)母の毒が「やるだけ」を奪う

主人公の渚(たん)は殺人に適正がありすぎると自己判断して、殺し屋になるべきだろうかと殺せんせーに相談します。しかし、渚の殺しの才能には「自棄」が、つまり自分をあまりに省みないところが含まれていて、それを一度しっかり考えてみろという答えが。渚は母親と向き合うことにします。

 

毒母(どくはは、どくぼ)は、機能不全家族における母親を表す俗語。子供にとって毒になる母親のことで、とくに娘と母親の関係において使われることが多い。

毒母 - Wikipedia

 

毒母というのはつまりフロイトというか、自身のコンプレックスで子を抑圧します。引用では娘に押し付けられがちという説明がされていますが、渚(きゅん)は男の子ながら女の子的な髪型などを押し付けられ、つまり娘として育てられていて、そこからも渚(たん)母の猛毒ぶりが伝わってきます。こちらとしては短髪の渚(たま)も見てみたいのですが・・・そこでは渚(たん)は自分として生きることができない。「やるだけ」すらできない。

というのが今回の話なのですが、結果を言うと殺しの技術という家庭の外=社会と繋がった力によって母の毒を解除します。社会は開かれていて、母親のコンプレックスでも覆い尽くせない。そしてそこに接続するための道は、教育という形で提供される。

 

殺されるまでが、教育

もし人間がその人自身として生きるべきだとするのなら、教育者や親はしごくシンプルなことしか下の世代に言えないのかもしれません。あれをやれ、これをやれ、そしてそういうことを言う私を殺れ

教育者になったり親になったりというのは、悪者をかってでるのに近いのかもしれません。

 

暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 13 (ジャンプコミックス)