あながち

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多和田葉子『かかとを失くして』読んで感想

かかとを失くして 三人関係 文字移植 (講談社文芸文庫)

『文字移植』が面白かったです。淡白なタイトルがいい。

 

『文字移植』は知人の別荘宅で翻訳の仕事をする人の話で、仕事が終わりかけてちょっと眠ろうとしたところから急に夢の中が舞台になって、似たような男にひたすら邪魔されたり追いかけ回されたりして主人公があたふた走り回って嫌だと言っていた海にむかって走っていくという展開がおかしかったです。展開と言えるのかこれは。

多和田葉子の文章は子気味いいようだが一方で薄気味悪く、なにを考えているのかわからないようでもあります。しかしやはり子気味いいリズムがあるので読めてしまう。